ワン・キャンセル・オール(OCA)注文タイプは、複数の関連性のない注文をグループとしてまとめてそのうちの1つだけを約定させ、TWSが残りの注文をキャンセルする仕様の注文タイプです。この注文を使用すると、グループ内で最も望ましい価格で約定させるためにいくつかの注文を出すことができます。グループ内の注文の1つが約定すると残りの注文がキャンセルされ、部分約定の場合は、グループ内でのリバランスが行われます。例えば、お客様は3つのポジションのうちの1つだけを現在の市場実勢価格よりも高い価格で売りたいと考えるかもしれません。OCA注文グループを使用すると、指定された目標レベルで価格を入力し、1つが約定すると他の2つが自動的にキャンセルされるように設定できます。または、下落相場でeミニS&P株価指数先物のロングポジションを取りことや、より有利な価格で米国債先物を売ることをご希望かもしれません。OCA注文タイプを利用して2つの注文をグループ化すると、1つのポジションを取るリスクを負うだけで、同様のポジションを取る2つのチャンスを得ることができます。
ただし、OCAプロセスは自動化されたプロセスであるため、リクエストしたキャンセルや変更が注文約定する前に特定の取引所に届くことを保証するものではありません。
ご留意事項:
右上の表は、この注文タイプの特徴の概要となります。チェックされた項目は、何らかの組み合わせで適用されますが、他のすべてのチェックされた項目と必ずしも連動するわけではありません。例えばオプションと株式、米国と米国外、スマートルーティングとダイレクトルーティングのすべてにチェックが入っている場合、米国と米国外のすべてのスマートルーティング又はダイレクトルーティングされる株式が、必ずしもこの注文タイプに対応しているということではありません。米国株の場合はスマートルーティング、米国以外の株の場合はダイレクトルーティング、米国オプションの場合はスマートルーティングのみでこの注文タイプが使用できる場合もあります。
取扱商品一覧 | 利用可能銘柄 | ルーティング | TWS | ||||
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債券 | ![]() |
米国商品 | ![]() |
スマート | ![]() |
属性 | ![]() |
EFP | ![]() |
米国外商品 | ![]() |
ダイレクト | ![]() |
注文タイプ | ![]() |
Forex | ![]() |
有効期限 | ![]() |
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先物 | ![]() |
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先物オプション | ![]() |
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株式 | ![]() |
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オプション | ![]() |
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ワラント | ![]() |
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利用可能な取引所を確認する|ユーザーガイドを開く |
この例では、様々なテクノロジー株の価格がいくらか戻ることを期待して、その時点で3つの銘柄のうちの1つを合計1,000株買いたいと考えています。OCA注文タイプでは、3つの関連する注文を入力し、そのうちの1つの注文のみが約定します。注文を入力する時点では、どの指値価格が最初に約定するかは分からないものの、いずれかの証券を購入する準備はできています。1つ目の希望のティッカー(この例ではMSFT)を入力し、BUYボタンをクリックします。背景が青いので、これは買い注文であることがわかります。SELL を選択すると、デフォルトの背景が赤に変わります。買い手はMSFT、GOOG、YHOOのいずれかを1,000株購入したいが、重要なのは1銘柄だけポジションを持ちたいということです。指値の$47.60は、画面に表示されている現在のNBBO(最良気配値)を下回っています。ドロップダウンメニューの注文タイプでLMTを選択し、指値を入力します。この例では、有効時間としてDAYを選択しています。Advancedのボタンをクリックすると、この注文の選択肢がさらに表示されます。
前提条件 | |
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アクション(MSFT) | BUY(買い) |
数量 | 1,000 |
注文タイプ | LTM(指値) |
市場価格 | 47.79 |
指値 | 47.6 |
注文が成立する場合 | 他の注文をキャンセル |
前提条件 | |
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アクション(GOOD) | BUY(買い) |
数量 | 1,000 |
注文タイプ | LTM(指値) |
市場価格 | 552.65 |
指値 | 552.30 |
注文が成立する場合 | 他の注文をキャンセル |
前提条件 | |
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アクション(YHOO) | BUY(買い) |
数量 | 1,000 |
注文タイプ | LTM(指値) |
市場価格 | 44.60 |
指値 | 44.40 |
注文が成立する場合 | 他の注文をキャンセル |
One Cancels Otherをクリックすると、注文入力欄が表示されます。Contractの欄をクリックし、2番目のティッカー(この場合はGOOG)を追加します。注文タイプにLMTを選択し、希望の数量と指値を追加します。有効時間にはDayを選択します。次に、Add Order expandボタンをクリックして重複する欄を作成し、YHOOを追加します。GOOGでの入力と同じ方法で、この注文に必要な詳細を入力します。この取引を送信する前に、On Fillという項目のプルダウンから選択する必要があります。プルダウンをクリックして選択肢を表示します。
選択肢は3つあります。この例では、1つの銘柄の株式のみを保有したいので、選択するのは「Cancel Other Orders(他の注文の取消)」です。「他の注文の取消」を選択すると、オーバーフィルプロテクションが自動的に有効になります。ただし、「他の注文を減らす」を選択する場合には1つの注文が約定し始めると、グループ化された注文の数量がそれに比例して減少します。この場合、お客様は合計1,000株を購入することになりますが、複数の証券を購入することになります。オーバーフィルプロテクションを使用せずに「他の注文を減らす」を選択すると、複数の注文が取引所にルーティングされ、オーバーフィルになる可能性があります。
最後に、オーバーフィルプロテクションを選択すると、一度に取引所にルーティングされる注文は 1 つだけになります。これにより、注文がオーバーフィルされる可能性が完全になくなります。注文の様々な入力オプションを満たしたら、Submitボタンをクリックして注文を送信します。
ハイテク株をできるだけ高い価格で買いたいが、100株しか買いたくないとします。例えば、YXXを$11.40/株、XYZを$19.60/株、YZZを$16.80/株で100株購入は可能ですが、合計100株以上は欲しくありません。注文を入れる前に、取引画面にOCAグループ欄を表示します。次に、YXXの買いの指値注文を作成し、注文タイプ欄でLMTを選択し、指値欄に$11.40と入力します。OCA Group欄に例えば「Tech」という名前のグループ名を入力します。次に、XYZは$19.60で、YZZは$16.80で、それぞれLMT注文を作成し、OCA Groupボックスにこれらの注文をリンクさせるために同じ名前「Tech」を入力します。グループの注文をすべて入力したら、注文メニューの発注ページを選択してOCA注文を発注します。これでワン・キャンセル・オール(OCA)グループが作成されました。注文のうち1つが約定すると、他の2つの注文は自動的にキャンセルされます。注文のうち1つが部分約定した場合、それぞれ他の注文の数量は比例して減少します。グループ内の1つの注文がキャンセルされると、残りの注文もキャンセルされます。